黒薙温泉 黒薙温泉旅館

富山県宇奈月町黒薙にある黒薙温泉旅館(くろなぎおんせんりょかん)へ行ってきました。

黒薙温泉へは、黒部峡谷トコッロ電車でしかアクセスできません。
そのトロッコ電車は、5月から11月までの営業で、冬は運行していないので、注意が必要です。

宇奈月駅から黒薙駅までは、およそ30分です。

駅のホームに降りて、電車が発車するのを待ってから線路を渡り、階段を登って行きます。

看板にも書いてありますが、黒薙温泉は宇奈月温泉の源泉です。
黒薙温泉から宇奈月温泉までの引湯管が利用権を得ていない土地をほんの少し通過していたことから、この土地を手に入れた者が起こした民事訴訟が「権利の濫用」の判例として超有名な「宇奈月温泉事件」です。

階段を登り、約600mの舗装された道を15分ほどさらに登ったり降ったりしながら進むと、黒薙温泉旅館が見えてきます。

右に曲がると宿泊棟、左に曲がると大露天風呂となっています。
まずは右に曲がって受付を済ませる必要があります。

黒薙温泉には、水着着用可能の大露天風呂(混浴)、天女の湯(女性専用露天風呂)、男女別内湯の3種類のお風呂があります。
大露天風呂は、宿泊棟から上流へ3分程度歩いたところにあります。

大露天風呂は、その名の通り、かなり大きな岩風呂です。
脱衣所は、脇にあるボックスで、男女別になっています。
着替えているところを見られないとはいえ、ボックスの出入りは湯船から丸見えです。

ボックスの中には、成分表が貼ってあります。
泉質は、弱アルカリ性単純温泉です。
源泉温度は約97℃ですが、加水されて適温に調整されています。
無色透明、無味無臭です。

大露天風呂からの景色はとてもよく、長湯には最適です。

宿泊棟からアクセスする女性専用露天風呂「天女の湯」は、朝5:30~7:30と夜20:00~21:00の間のみ男性専用時間となります。
男性の時間帯は、のれんが変わります。

サンダルに履き替えて階段を降りて行くと、左手に脱衣所ボックスが見えてきます。

その先に天女の湯があります。
こちらも大露天風呂同様、加水されています。

天女の湯の先に橋がありますが、立入禁止となっているので気をつけましょう。

天女の湯の写真は、朝食直前に撮影したため人がいませんが、5人程度しか入れるほどの湯船であることや男性時間帯が短いことから、非常に混みあいます。

最後に内風呂の紹介をします。
内風呂へ行く途中の廊下に、詩人、田中冬時の歌が飾ってあります。

5~6名が入れるほどの大きさです。

浴室内にも、さきほどの歌がありました。
なかなかに凝っています。

湯船の大きさに比して湯量が多いため、常に湯船から温泉が溢れ出ています。

大露天風呂や天女の湯は加水されていましたが、内風呂は加水せず熱交換器により温度調整しているのが特徴です。
加水していない分、大露天風呂や天女の湯よりも温泉が濃いことになります。
そのためか、内湯の湯の花は、露天風呂などに比べ、少し大きめでした。
また、匂いもこもるため、ほのかな硫黄臭が感じられます。
浴感も、他の大露天風呂などよりも少し重く、しっとりとした感じがしました。

大露天風呂や天女の湯の方が景色がよく、いかにも秘湯っぽい造りですが、温泉の質という観点からは内湯をお勧めします。
なお、女湯も同じような造りでした。

日帰り入浴も良いですが、一泊してゆっくり泉質を楽しむ価値のある温泉です。
部屋や食事は質素なので、豪華な旅行が好みの人には合わないかもしれませんが、温泉好きならば、必ず再訪したいと思うはずです。

富山県黒部市宇奈月町黒薙
営業 9:00~16:00
料金 大人650円

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