はじめに
秋田県仙北市にある乳頭温泉郷は7つの温泉で構成されています。
その中の1つ、鶴の湯温泉に宿泊しました。冬の鶴の湯は、まさに秘湯の様相で風情があります。
今回は、JRプラン専用の「離れ本陣」に宿泊しました。離れ本陣は鶴の湯入口に向かって右手前にあります。
温泉
鶴の湯は
- 黒湯
- 白湯
- 中の湯
- 滝の湯
の4つの源泉があります。
事務所の先にある橋を渡ったところに黒湯と白湯があります。
黒湯
男性の黒湯と白湯は脱衣所が共通のため、着替えなおさずに両方を楽しむことができます。
建物に入って、正面、下駄箱の裏に黒湯があります。
こじんまりとした大きさ、空気に触れる面積が小さい分、熱い湯船となっています。
誰も入浴していない時間帯に行ったこともあり、熱すぎては入れませんでした。
黒湯源泉の泉質は、源泉温度58.7℃、pH=6.8の含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(硫化水素型)です。
後述する白湯と異なり、1年中加水しています。
なお、女性には内湯の他に露天風呂があるそうです。
白湯
一方、白湯は建物に入って右手にあります。
黒湯と異なり、建物に入った人からは丸見えです。
白湯は黒湯の3倍ほどの大きさがあり、湯も空気に触れながら湯船に投入されているため適温でした。
白湯源泉の泉質は、源泉温度59.6℃、pH=6.6の含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉(硫化水素型)です。
黒湯は年中加水でしたが、白湯は湯船の温度が高い5月から11月のみ加水しています。
加水されているせいかもしれませんが、黒湯源泉や中の湯源泉に比べてやわらくて入りやすいと思います。
混浴露天・中の湯・滝の湯
混浴露天風呂と中の湯の脱衣所は、男性も女性もそれぞれ共通です。
脱衣所を出てすぐのところ、脱衣所の建屋内に中の湯があります。
黒湯と同じくらいの大きさですが、大人は2名が限界でしょう。
中の湯源泉の泉質は、源泉温度45.1℃、pH=6.7の含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉(硫化水素型)です。
7月から9月の暑い時期のみ加水しています。
ここで温まってから、外の混浴露天風呂へ行きます。
なお、建屋を出てすぐるのところに打たせ湯があります。
「黒湯」、「白湯」、「中の湯」ときて、4つ目の源泉が、この打たせ湯に使われている「滝の湯」源泉です。
滝の湯源泉の泉質は、源泉温度51.7℃、pH=7.0の含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉です。
ただ、残念なことに私が利用した時には打たせ湯は止まっていました。
女性の方は利用できたようですが、理由はよくわかりません。
鶴の湯温泉で最も有名なのが、混浴露天風呂「鶴の湯」です。
乳頭温泉郷最古の出湯と言われており、乳頭温泉の中で最も混雑する湯船と言っても過言ではありません。
日帰り入浴が可能な時間帯は、芋洗い状態です。
湯船の底から湧き出ている温泉の泉質は不明ですが、湯船に投入されている源泉は白湯源泉のようです。
冬で外気温が低いからでしょうが、湯船全体はぬるめです。
ただし、湧き出ている箇所は熱く、火傷に注意する必要があります。
白湯同様、しっとりとしたやわらかい浴感です。
貸切風呂
宿泊客はさらに3つの湯船を利用できます。
白湯源泉を利用した内湯は、1号館と呼ばれる建物の1階にあります。
左の写真は、新本陣にある黒湯源泉を利用した貸切風呂です。
同じような浴室が左右に並んでいます。
私は貸切風呂2(右側)に入りました。
黒湯は熱くて入れませんでしたが、こちらの貸切風呂は少し熱めのちょうどよい温度でした。
白湯よりも肌がピリッとして、刺激が強いです。
食事
夕食は部屋食となります。
ランプの下にある囲炉裏に鶴の湯温泉の名物料理「山の芋鍋」と鮎の塩焼きをセットしてくれます。お膳も雪の中運んできてもらいました。
なお、配膳スタッフから、苦情を言いたいほどの問題発言がありましたが田舎の宿だから仕方がないのかもしれません。
楽しい思い出にするため、スルーしました。
朝食は部屋食ではなく、本陣に出向きます。
席が決まっているわけではなく、来た順に空いているところに座り、膳を運んでもらうスタイルです。
この時の配膳スタッフはとても感じのよい方でした。
感想
冬の鶴の湯は、雪をかき分けて温泉なり朝食処なりに行く必要があるため、ちょっと不便です。
しかし、それが秘湯ならではの不便さなのだと思います。
何度でも行きたい温泉宿です。
データ
秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林50
営業 10:00~15:00
料金 大人600円