はじめに
和歌山県田辺市本宮町にある湯の峰温泉は、約1800年前に発見された日本最古の温泉といわれ、熊野へ詣でる前の湯垢離場とされていた由緒ある温泉です。
今回入浴した「つぼ湯」は、世界最古の共同浴場ともいわれ、熊野詣の湯垢離場として2004年7月に世界遺産に登録されました。
湯の峰温泉には2つの共同浴場(つぼ湯と公衆浴場)がありますが、受付は共通です。
券売機で入浴券を購入し、受付に提出すると、つぼ湯の利用方法を説明してくれます。
なお、つぼ湯に入った後には、公衆浴場の「一般湯」「くすり湯」のどちらかに無料で利用できることも教えてもらいました。
30分交替制で、受付時に番号を渡されます。
混み合っているときは、自分の番号が来るまで待つことになります。
初日は18番目だったので、次の日は朝一番で受付を済ませて一番風呂をいただきました。
温泉
つぼ湯は、受付の前を流れる川に沿って、少し登ったところにあります。
あたかも川の上に湯小屋が建っている様相で、目立ちます。
川の傍まで階段で降りたところが小屋の入口です。
受付で渡された番号をドアの左側に引っかけて、靴を脱ぎ、小屋の中に入ります。
小屋に入ると降る石段があり、右側には湯船が見えます。
なお、小屋には、硫黄臭と薬草の香りが混じり合ったような匂いが充満していました。
小屋の中には、餓鬼病となった小栗判官がこの湯に浸かり、死の淵から息を吹き返したという伝説「小栗判官照手姫物語」の案内板がありました。
なお、この物語は、今でも説教節や歌舞伎の世界で語りつがれています。
天然岩の湯船で、大人3人がやっと入れる大きさです。
湯船は深いため中腰で入ります。
底には大小の砂利が敷いてあり、底の方から約90℃の源泉が湧き出ています。
朝一番だったので、触ることができないほどの熱さです。
湯船の脇にある蛇口をひねって、10分弱を薄める作業に費やしました(薄めている写真は初日のもの)。
つぼ湯は、1日に7回もお湯の色が変化するといわれています。
確かに、初回入浴時(16時30分頃)と2回目(朝6時)では色が異なっています。
感想
朝一番だったということもあり、水で薄めたとはいえ、体に堪える濃い浴感です。
確かに、小栗判官の病が治るのも分かる気します。
泉質、歴史、世界遺産とステータスが揃い過ぎている名湯です。
データ
和歌山県田辺市本宮町湯の峰
営業:6:00~21:30
料金:大人770円(公衆浴場入浴料込み)