はじめに
長野県山ノ内町にある渋温泉へ行ってきました。
夜間瀬川支流の横湯川沿いに温泉街が広がっています。
渋温泉は、外湯巡りが有名で、苦(九)労を流すといわれる「9つの外湯めぐり」を楽しむことができます。
しかし、いずれも宿泊客および地元の方専用であり、どの浴場にも共通鍵がかけられているため、旅館で外湯の鍵を借りる必要があります。
なお、外湯をめぐる際には、「巡浴祈願手拭い」(旅館やおみやげやで販売)を購入することをお勧めします。
各外湯の入口に置いてある朱印を押し、その手ぬぐいを持って大湯前の高台にある高薬師に参詣すると、満願成就するといわれています。
このため、この手ぬぐいと浴場の共通鍵を持ち歩きながら湯巡りをします。
一番湯 初湯
一番湯・初湯は、奈良時代の僧である行基が発見したとされています。
托鉢(たくはつ)の鉢を洗ったと言われた鉢湯(はちゆ)が、いつからか初湯(はつゆ)になったそうです。
泉質は、源泉温度不明、pH=4.0のナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉です。
胃腸によく効くことから、別名、胃腸の湯とも呼ばれているそうです。
匂いは、少し鉄臭く、ほとんど感じないほどのわずかな塩味がありました。
先客に聞いたところ、最初は入れないほど熱かったため、水道水で温度を調整したのことでした。
それゆえ、適温を楽しむことができました。
二番湯 笹の湯
二番湯・笹の湯は、笹やぶの中から湧出していたことから名付けられたそうです。
湿疹などに効き、病気の快復時に効果があり、仕上げの湯とも呼ばれています。
泉質は、一番湯と同じナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉です。
脱衣所に貼付してあった成分表が同じで、一番湯も二番湯も、いつくかの源泉の混合泉を分配しているようです。
こちらは先客がいなかったため、大変熱く、しばらくは水を出しっぱなしにして、温度調整して入りました。
三番湯 綿の湯
三番湯・綿の湯は、白い湯の花が多く、綿を連想させることから名前がつけられています。
切傷や皮膚病などによく効くと言われているそうです。
しかし、脱衣所に貼られているのは、一番湯、二番湯と同じ成分表で、綿を連想させる湯の花も見られませんでした。
こちらも、水で薄めないと入れません。
四番湯 竹の湯
四番湯・竹の湯は、温泉街の東にある地獄谷から引湯に成功した時に命名されました。
旅館に挟まれた外湯のためか、私が訪れた時間のためかわかりませんが、他の外湯に比べ比較的混んでいました。
泉質は、pH=7.6のナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉で、一番湯、二番湯、三番湯とは泉質が異なり、弱アルカリ性となっています。
こちらも大変熱く、先客が水で薄めていました。
それでも、かなり熱く、とても長湯はできません。
五番湯 松の湯
五番湯・松の湯は、神経痛や病気の回復時によく効くといわれているそうです。
泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉で、無色透明です。
四番湯と同じ成分表が貼られていました。
六番湯 目洗の湯
六番湯・目洗の湯(めあらいのゆ)は、昔から大勢の人が目の病を癒したといわれ、目に効く温泉です。
肌がきれいになる美人の湯ともいわれています。
泉質は、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉です。
無色透明で無味無臭ですが、他の外湯と異なり、消しゴムのカスのような湯の花が特徴的です。
9つの外湯の中で、最も好みのお湯でした。
七番湯 七繰の湯
七番湯・七繰の湯(ななくりのゆ)7つの病気に効くとか、7回入れば全快するといわれていることから付いた名です。
外傷性の障害や病気の快復期によく効くそうです。
泉質は、六番湯と同じ、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉ですが、源泉が異なるため、六番湯に見られたような湯の花はありません。
八番湯 神明滝の湯
八番湯・神明滝の湯(しんめいだきのゆ)は、裏山の神明山から湧出した源泉が、昔は滝のような打たせ湯であったことから付いた名です。
婦人病によく効き、子宝に恵まれる湯でもあったそうです。
泉質は、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉です。
微白濁で、若干の鉄臭さがあります。
九番湯 大湯
九番湯・大湯は、渋温泉を代表する名湯で、万病に効くといわれているそうです。
男性入口と女性入口が横に並んでおらず、小屋の反対側にあるユニークな造りになっています。
9つの外湯のうち、ここだけが渋温泉宿泊客でなくても利用することができます。
渋温泉旅館組合事務所または渋温泉駐車場で、入浴券を購入することができるそうです。
外湯の中で最も鉄臭く、最も茶色い温泉です。
泉質は、pH=4.5のナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉です。
また、9つの外湯のうち、唯一蒸し風呂があります。
高薬師に参拝
9つの外湯を巡った後に、温泉街の裏山にある高薬師へ向かいます。
九(苦)労を流し、厄除け、安産育児、不老長寿の御利益があるそうです。
高薬師にある朱印を押すと、満願成就となります。
感想
9つの外湯を二日間で回りましたが、体には相当の負担がかかりました。
何回かに分けて満願成就を目指すことをお勧めします。
データ
長野県下高井郡山ノ内町渋温泉
営業:6:00~22:00
料金:無料(大湯以外は地元民及び宿泊者のみ)