夏油温泉 元湯夏油

はじめに

岩手県北上市にある夏油げとう温泉元湯夏油へ行ってきました。

「ゲトウ」という名前は、アイヌ語の「グット・オ」(崖のあるところ)からきているそうです。

発見由来については、平家の落人の末裔であるマタギが、傷ついた白猿を追ったところ、大湯でいやしている姿を見て発見したと語られています。

温泉

元湯夏油には、露天が5つ、内湯が2つ、計7つの湯船があり、全て成分の質や量が違います。

露天については、湯船そのものが源泉なんだそうです。

なお、露天4つは混浴ですが、それぞれ、女性専用の時間が設けられています。

その関係で、日帰りで全ての湯船を制覇するのは大変ですので、注意が必要です。

大湯

大湯は、露天風呂の中で、最も奥に位置する混浴風呂です。

大湯は、元湯夏油の中で、最も白く、湯船の温泉が最も熱いです。

入口にも、熱くてクレームがあるが、加水はしないと断言されています。

10名以上は入れる大きめの湯船です。

元湯夏油の7つの温泉のうち、ここが最もクセがあるので、時間や体力の関係で、元湯夏油の全ての湯船に入ることができない場合でも、大湯は必ず入るべきです。

奥の岩場から温泉が湧いています。

泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物泉です。
味は、元湯夏油の中で最も塩味が強いです。

そして、不思議なことに、うま味を感じました。

なお、湯船の奥には、文字が彫ってある岩がありましたが、内容はよくわかりませんでした。

滝の湯

大湯に行く途中にある露天風呂(正確には、小屋の中にあるので露天風呂とは言わないかもしれない)で、元湯夏油で唯一の女性専用風呂です。

ホームページの情報を見ると、大湯と同じ塩化物泉のようです。

ただし、同じ塩化物泉でも色や味、感触は別物ということはざらにあるので、非常に興味があります。

疝気の湯

疝気せんきの湯は、大湯の下流にある混浴露天風呂です。

大湯と疝気の湯の間の距離が短いため、男性はタオルで隠して裸のまま移動する人が大多数です。

脱衣所は簡単な造りで、丸見えです。

湯船は、半円の形をしており、5人ぐらいは入れる大きさです。

湯船の底から気泡が出ており、温泉が湧き出ていることが確認できます。

泉質は、大湯と同じナトリウム・カルシウム-塩化物泉ですが、色は大湯よりも薄い白濁で、大湯に見られなかった細かくて茶色い湯の花が浮いています。

そして、こちらは全く塩味はしません。

川がすぐそばを流れているため景色が良く、温度もそれほど熱くないので、長湯向きです。

真湯

最も手前にある露天が真湯になります。

ここも原則混浴ですが、女性専用時間帯があります。

比較的大きめの湯船で、消しゴムの大きめのカスのような白くて細長い湯の花が浮いています。

舐めてみると、塩味があります。

無色透明で、無臭な上、温度は露天の中で最も適温なのですが、湯船に入った瞬間「あ、(成分が)濃い!」と思えるほど力があるお湯です。

大湯や疝気の湯とは全くの別物です。

女(目)の湯

女という漢字が付いていますが、他と同様、原則、混浴です。

真湯の対岸にあり、橋を渡っていきます。

脱衣所があるというよりは、湯船の奥に仕切りのない荷物置き場があると言う方がふさわしいでしょう。

露天のうち、ここだけナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉となっています。

湯船は露天の中で最も小さく、最もぬるいです。

お湯は壁際から湧いています。

多少、塩味を感じますが、大湯や真湯に比べればまろやかです。

他の湯船には見られない金属臭さがあります。

白猿の湯

2つある内湯のうちの1つです。

玄関を入って左手にあります。
男女別浴です。

露天と異なり、洗い場があるので、宿泊客は石鹸で体を洗うことができます。

カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉で、ここも露天同様、源泉かけ流しとなっています。

小天狗の湯

こちらも男女別浴の内湯です。

玄関を入って右手、別棟にあります。

脱衣所はとても広々としています。

こちらも、石鹸が使えます。

脱衣所と同様、浴室も、明らかに近年改装した造りです。

元湯夏油のうち、最も秘湯らしくない雰囲気のお風呂になっています。

白猿の湯と同様、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉ですが、成分量は白猿の湯を上回っています。

湯口も、白猿の湯より温泉成分がこびりついた様を呈しています。

感想

元湯夏油は、日帰りで来るには内容が多すぎるので、宿泊を検討すべきだと思います。
再訪したい温泉のひとつです。

データ

岩手県北上市和賀町岩崎新田1-22
営業:10:00~15:00(14:00までの受付)
   ただし、5月初旬~11月中旬のみ
料金:大人600円

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